リスティング広告業界のリアル。予算規模で決まる担当者のランク

今回は、以前私がいた会社での実例をお話しします。

当時、月額の広告予算が数百万規模だった大手美容クリニックのアカウントは、部長と私を含めたベテラン3人体制でガッチリ固めてリスティング広告の運用をしていました。万が一にもミスが許されない、会社の看板案件だからです。

一方で、月額予算が100万円未満のクライアントは、基本的に新人の担当になっていました。

「新人は手持ちの案件が少ないから、自分のアカウントにたくさん時間を使ってくれるかも!」とポジティブに捉えることもできますが、リスティング広告は「時間さえかければ誰でも成果が出る」という世界でもないのです。やはり、経験の差はちゃんと結果に出ます。

ベテランと新人、運用にどういう差が出るのか?

まず「初期設計」に関しては、優秀な会社であれば構成案を作り、先輩や上司がチェックするため、新人が担当でもそこまで大きなトラブルにはなりません(リソース不足でチェック体制がない会社は論外ですが……)。

致命的な差が出るのは、「日々の最適化」「トラブル対応」「改善提案」の3つです。

1.日々の最適化(予算管理のコントロール)

経験が浅い運用者は、「入札単価をガツンと上げて上位表示させれば、コンバージョン(成果)がめっちゃ伸びる!」と思いがちです。

しかし、これをやるとCPA(顧客獲得単価)が急悪化したり、瞬間風速的に予算を消化しすぎて「月の途中で予算を使い切って広告が止まった」という事態を引き起こします。

経験者は、掲載順位3〜4位あたりを狙いながら、徐々に単価を上げていくようコントロールします。

2.トラブル対応の引き出し

過去に「年末年始は広告を止めておいて」とクライアントに頼まれていた新人が、設定をうっかり忘れて年明けに1,000万円近くの広告費を溶かした……という生々しい事例を見たことがあります。

経験者なら「キャンペーンの終了設定をしておく」といった二重三重の予防策(保身のスキルとも言います)が染みついていますが、新人は想定外の事態にフリーズしてしまいます。

3.改善提案のレベル

身も蓋もないですが、経験が浅い新人や、ただ作業をこなすだけの「攻めの姿勢がない運用者」は、改善提案がほぼできません。

Web広告を長く運用していると、必ず「なぜか今月から成果が悪くなった」「これ以上CV(成果)が伸びない」という場面に直面します。初期設定がバッチリで、最初はクライアントに喜ばれていても、競合の参入や市場の変化でいつか必ず頭打ちが来るのです。

ここで、運用者の実力の差が出ます。

引き出しのない運用者の場合

よくあるのが「季節要因かもですね」と言い訳を並べて、レポートの数字を読み上げるだけで終わるパターンです。

具体的なアクションを起こさず、ただ嵐が過ぎ去るのを待つような「守り(放置)」の姿勢です。

攻める運用者の場合

数字が悪化し始めた瞬間に、以下のような「新たな打ち手」を次々と仕掛けます。

キーワードのずらし・追加

競合と正面衝突している高単価なキーワードを避け、少し角度をずらしたキーワードを見つけ出し、安いCPC(クリック単価)で効率よく集客する。

LP(着地ページ)のテコ入れ・ABテスト

広告の出し方だけでなく、受け皿であるページの構成を変えたり、全く別のLPを用意してどちらが売れるかテストする。

広告文の刷新

ユーザーの目を引く新しい切り口の訴求をテストする。

要するに、成果が出ないときに「ただ見守るだけ」なのか、「泥臭く手を動かして次の仕掛けを作るか」が、新人や熱量のない運用者と攻める経験者との違いです。

新人丸投げを防ぐ!クライアントができる「2つの牽制」

せっかく汗水垂らして稼いだ広告予算を、運任せで新人に丸投げされるのは避けたいと思います。

そこで、打ち合わせの時に「あ、このクライアントは適当な新人をアサインしたらマズそう」と思わせる牽制テクニックを紹介します。

1.専門用語を会話に混ぜる

Web広告に詳しくない人は、まず「部分一致」や「完全一致」といったキーワードのマッチタイプを知りません。ここをあえて突っ込んでみてください。

  • 「今回のキーワード、部分一致の拡張範囲はどうコントロールする予定ですか?」
  • 「除外キーワードって、今はどんな設定になってるんですか?」

これらを聞けば、代理店側はより緊張感を持ってアカウントを見るようになります。

2.AIを使って先回りする

今はChatGPTなどのAIを使えば、「自社のビジネスでどんなキーワードが成約に繋がりそうか」をざっくり洗い出せます。

事前にAIで作ったキーワード候補をノートにメモしておき、「このあたりのキーワードは網羅されていますか?」と質問してみましょう。

それだけで強力なプレッシャー(良い意味での牽制)になります。

失敗しない広告運用者の選び方

もし、すでに新人が担当になっていたとしても、正直成果が出ていれば問題ありません。

ただ、成果が出ていないのに「先輩の〇〇と2人で見ていますから大丈夫です!」と言い訳されてしまうと、それ以上突っ込めないのが、もどかしいところです。

では、予算が限られている中で、最初から「ハズレ」を引かないためにはどうすればいいのでしょうか?

ホームページを見ても、どこの会社も「うちは成果が出ます!」と良いことばかり書いてあって見極めがつきません。

私がおすすめする基準は、その会社の「ブログ」や「情報発信」をチェックすることです。

  • 「実際にこういう施策を試したら、コンバージョン数がこれだけ伸びた」
  • 「こういう設定ミスを修正して、CPAがこれだけ下がった」

といった、泥臭い実践例やノウハウが生々しく書かれている記事が多いところを選ぶのが良いと思います。

たとえば、車のコーティングを頼む時と同じです。ホームページの綺麗なキャッチコピーよりも、実際の施工実績の写真が大量にあって、ビフォーアフターが丁寧に解説されているお店の方が「あ、ここは仕事が丁寧そうだな」と信頼できると思います。それと同じです。

ブログを通じて、担当者の人柄や「丁寧な仕事っぷり」が見えるところに依頼することをおすすめします。

まとめ

広告運用は、最終的には「人と人との付き合い」であり、信頼関係で成り立っています。

当サイトでも、私が日々の運用の中で培った生々しい実践ノウハウや施策の結果を、ブログで包み隠さず発信しています。

  • 「今のアカウント、もしかして放置されてる?」
  • 「今の設定で本当に合っているか不安……」

という方は、まずはセカンドオピニオンとして、無料のアカウント診断や初回相談からお気軽にお問い合わせください。