美容クリニックのリスティング広告改善事例|売上1.9倍に増加

「広告費を2倍に増やしたのに問い合わせは微増なのですが…」

このような相談は本当に多いです。広告費を増やせば売上も増えると思われがちですが、そうスムーズに成功するケースは少ないです。

たとえば、予算不足が原因で広告が十分に表示されていない場合は、広告費を増やすことで成果が伸びる可能性もあります。

しかし、すでに検索需要をある程度取り切っている状態では、入札単価を引き上げたり広告費を増やしたりしても、CPA(顧客獲得単価)は悪化しやすく、広告費だけ増えて利益はほとんど変わらないケースは意外と多いです。

そのため、もっと売上を増やすなら、着地ページに目を向けることも必要です。

今回ご紹介する美容クリニック様の事例では、広告費はほぼそのままで、新たに1ページ製作し、売上は235万円→437万円に増加しました。

新規ページ制作費用はかかりましたが、その後は広告費を増やさなくても、売上を維持できる状態になったため非常にコスパの高い施策でした。

ここから、実際に改善した流れとデータを交えながら紹介します。

ご相談内容

お話を伺うと、業界でも知名度の高い大手広告代理店へ運用を依頼していました。

広告運用を開始した当初は順調に成果が伸びていたことから、「広告費を増やせば売上もさらに伸びるだろう」という判断で、徐々に広告予算を拡大。

しかし、広告費を増やした割には売上はほぼ横ばいで、期待したほど成果は伸びなかったそうです。

さらに、月末になると予算消化のペースが急激に速くなり、CPA(顧客獲得単価)も悪化していました。

そこで広告費を見直し、予算を抑える方向へ調整したところ、売上が大きく落ちたため、広告運用会社の乗り換えを検討されたそうです。

実際に広告アカウントを確認すると、改善できそうなポイントはいくつか見つかりました。

キーワードのマッチタイプ、除外設定など、見直すべき箇所はいくつかありましたが、その中でも特に気になったのが、「二重 全切開」というキーワードの扱いです。

当時、このキーワードの広告は「二重整形」の総合ページへ誘導されており、費用対効果が合わず途中で配信が停止されていました。



二重手術の中でも全切開は単価が高いため、積極的に運用すべきキーワードなので、ここには大きな改善余地があると考えました。

というのも、美容医療では検索キーワードごとに専用ページを用意することは珍しくありません。実際に検索結果を調査すると、検索上位を獲得している大手美容クリニックの多くは、「二重全切開」専用ページを用意していました。

つまり、ユーザーが比較している競合は、すでに検索意図に合わせた情報を提供しているわけですが、このクリニックでは総合ページへ誘導していました。

その結果、ユーザーが本当に知りたい情報にたどり着くのに時間がかかるため、競合へ流れている可能性が高いことが、解析ツールからもわかりました。

改善とは、競合との間違い探しから始まる

私は広告改善を行う際、まず成果を出している競合と比較し、「何が違うのか」を徹底的に洗い出します。

そして、見つかった差を一つずつ埋めていくことで成果を改善していきます。

今回もその考え方に基づき、「二重全切開」の専用ランディングページを制作することをご提案しました。

専用ページを提案したもう一つの理由

私が専用ページを提案した理由は、もう一つあります。

それは、「二重 全切開」というキーワードで検索するユーザー心理です。

そもそも、全切開は二重整形の中でも心理的ハードルが非常に高い施術です。

埋没法のように糸で固定する施術とは異なり、メスを使ってまぶたを切開するため、ダウンタイムも長く、一度施術すると簡単には元に戻せません。

そのため、初めて二重整形を受ける方が、いきなり全切開を選ぶケースは決して多くありません。

私は、「二重 全切開」で検索するユーザーの多くは、すでに埋没法を経験している可能性が高いと考えました。

例えば、

  • 糸が外れてしまった。
  • 思ったようなラインを維持できなかった。
  • 何度も埋没法を受けるより、半永久的な二重を手に入れたい。

こうした悩みを抱えた結果、「次は全切開を検討しよう」と検索しているケースが少なくないはずです。

つまり、この段階のユーザーは、二重整形について知りたいのではなく、「全切開について詳しく知りたい」のです。

知りたい情報も、総合ページとは大きく異なります。

  • 症例写真
  • ダウンタイムの経過
  • 腫れはどの程度続くのか
  • 保証内容
  • 費用
  • モニター制度
  • メイクやコンタクトはいつから可能か

このような情報を探しているユーザーを、埋没法や眼瞼下垂など、さまざまな施術が並ぶ総合ページへ誘導してしまうと、「知りたい情報が見つからない」と判断され、離脱する可能性が高くなります。

広告は、クリックされるだけで費用が発生するので、クリック後にユーザーが求める情報へ最短でたどり着ける導線を用意しなければなりません。

そこで私は、検索意図に合わせた「二重全切開」の専用ランディングページを制作することを提案しました。

実施した施策

まず、全切開を検討しているユーザーの不安や疑問を解消するため、専用ランディングページの構成案を作成しました。



ページ制作はクライアント様の専属制作会社にご対応いただき、完成後は従来の総合ページと、新しく制作した専用ページを1:1の割合で配信するABテストを実施しました。

専用ページでは、ユーザーが知りたい情報を中心に、以下の内容を掲載しています。

  • 医師による術式の解説と、腫れ・ダウンタイムを最小限に抑える工夫
  • 1日目・3日目・1週間後・1か月後・3か月後までの症例経過写真
  • オプション費用を含まない、わかりやすい総額料金表
  • その他、全切開を検討するうえで必要となる情報

改善結果

総合ページ専用ページ
クリック数27802777
問合せ件数157291
問合せ率5.64%10.49%
成約数917
獲得単価¥8,200¥3,400
売上¥2,350,050¥4,371,450

上記のとおり、クリック数はほぼ同じですが、着地ページをユーザーの検索意図に合わせて最適化しただけで、問い合わせ率は約1.9倍、売上も約1.9倍まで改善しました。

広告運用では「広告費を増やせば売上も増える」と考えられがちですが、実際には広告費を増やす前に改善すべきポイントが残っていることも多いです。

今回のように、広告費を増やさなくても、ランディングページを改善するだけで売上を大きく伸ばせることもあります。

売上だけでなく、Webサイトの資産も同時に増やせる

今回は「二重 全切開」の専用ページを制作したことで、広告の成果だけでなく、SEOでも評価される可能性のある資産を作れました。

この考え方は、一つのキーワードだけで終わるものではありません。

例えば、今回のように検索意図に対して専用ページが不足している施術やサービスがあれば、同じ考え方でページを増やしていくことで、広告・SEOの両面から集客を強化できます。

つまり、広告改善とSEO対策を別々に考えるのではなく、一つの改善で両方の成果を狙うという発想です。

私自身、現在も別サイトで「○○ おすすめ」をはじめとする収益性の高いキーワードで検索1位を多数獲得していますが、SEOで成果を出せている理由は、単純に記事を書く量が多いからではありません。

実際のサーチコンソールのデータ

私が最も時間をかけているのは、競合との差別化です。

競合サイトを分析し、

  • どんな写真を使うのか
  • どんな見出しなら最後まで読んでもらえるのか
  • どんな順番で情報を見せれば理解しやすいのか
  • どこで問い合わせボタンを配置すれば行動につながるのか

こうした細かな部分まで考えながらコンテンツを設計しています。

広告もランディングページも、結局は「価値を伝えること」が仕事です。

そのためには、ユーザーが自然と「問い合わせてみよう」「詳しく見てみよう」と思える流れを作るセールスライティングの考え方が欠かせません。

ただし、セールスライティングは魔法ではないので、商品やサービスに独自の強みがなければ、どれだけ優れた文章を書いても成果にはつながりません。

だからこそ私は、広告運用だけではなく、競合分析を通じて「何を強みとして打ち出すべきか」まで一緒に考えながら改善をご提案しています。

制作会社との連携もサポート

アド職では、必要に応じてWeb制作会社様との打ち合わせにもZoomなどで参加しています。

実際には、広告代理店と制作会社の間で情報がうまく伝わらず、クライアント様が板挟みになってしまうケースが多いです。

そこで、広告運用者と制作会社が直接連携することで、伝達ミスを防ぎ、改善スピードを高めます。

クライアント様には本業に専念していただき、私たちが制作会社様と連携しながら、売上アップにつながる改善を進めていきます。