リスティング広告の運用代行会社を選ぶ5つのポイント
「リスティング広告の運用代行会社を探しているが、どの会社を選べばよいかわからない」
そう悩む経営者の方は少なくありません。
実際に検索すると、
- Google認定パートナーかどうか
- 運用実績が豊富か
- 料金体系はどうなっているか
といった選び方が紹介されています。
もちろん、これらも大切な要素です。
しかし、もし私自身がリスティング広告の運用代行会社を選ぶなら、認定パートナーであるかどうかや、会社の規模はそこまで重視しません。
なぜなら、実際に広告を運用するのは会社ではなく担当者だからです。
大手代理店であっても担当者次第で成果は大きく変わりますし、逆に小規模な会社でも優秀な担当者は存在します。
私自身、広告運用会社で働いていた経験や、現在も広告運用を行っている立場から、リスティング広告の運用代行会社を選ぶ際に重視しているポイントをまとめました。
リスティング広告の運用代行会社選びで失敗したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
リスティング広告の運用代行会社選びで失敗する会社は多い
リスティング広告の運用代行会社を探す際、多くの企業は会社の知名度や実績、料金体系を比較します。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
しかし、実際にはリスティング広告の運用代行会社選びに失敗してしまう企業も少なくありません。
なぜなら、多くの場合、見るべきポイントを見ていないからです。
現在も広告運用に携わる中で、リスティング広告の運用代行会社の乗り換えを検討している企業から相談を受けることがあります。
その中で感じるのは、失敗する企業には共通点があるということです。
ここでは、特に多い2つのパターンをご紹介します。
会社を見て担当者を見ていない
リスティング広告の運用代行会社を選ぶ際、多くの企業は会社の規模や実績を重視します。
たしかに、大手代理店には豊富な運用実績がありますし、教育体制も整っています。
実際、私自身も前職時代に優秀な人たちと一緒に仕事をしてきました。論理的に物事を整理し、わかりやすく説明する能力は非常に高く、多くのことを学ばせてもらいました。
しかし、実際に広告を運用するのは会社ではありません。
担当者です。
どれだけ有名な代理店であっても、自社の広告アカウントを日々分析し、改善案を考え、提案するのは一人の担当者です。
極端な話をすれば、同じ会社の中でも担当者によって成果は変わります。
広告運用の経験年数だけでなく、
- 数字を分析する力
- 仮説を立てる力
- クライアントの事業を理解する力
- 提案する力
によって結果は大きく変わるからです。
私がリスティング広告の運用代行会社を選ぶとしたら、会社の規模や認定資格よりも、まず担当者がどのような考え方を持っているのかを重視します。
どんなに立派な会社でも、担当者との相性が悪かったり、事業への理解が浅かったりすれば、期待する成果を得ることは難しいでしょう。
反対に、小規模な会社であっても、担当者が自社の事業を深く理解し、真剣に向き合ってくれるのであれば、大きな成果につながる可能性があります。
リスティング広告の運用代行会社選びで重要なのは、会社名ではなく「誰が担当するのか」です。
CPAやROASだけを見てしまう
広告運用の成果を判断する際、多くの企業がCPAやROASを重視します。
もちろん、どちらも重要な指標です。
しかし、それだけを見てしまうと本質を見失うことがあります。
なぜなら、広告運用の最終目的はCPA改善でもROAS改善でもないからです。
本来の目的は、会社に利益を残すことです。
例えば、CPAを改善する方法は比較的簡単です。
- 成果の悪いキーワードを停止する。
- 広告配信時間を減らす。
- 成果の出ない地域を除外する。
こうした施策を行えば、多くの場合CPAは改善します。
しかし、その結果として問い合わせ数が大幅に減ってしまい、売上や利益まで減少してしまうケースもあります。
私自身、過去にこれと似た失敗を経験したことがあります。
広告費の無駄を削減し、CPAやROASは改善したものの、それ以上に売上機会を失ってしまい、結果的に月間の粗利を大きく減らしてしまいました。
本当に見るべきなのは、
- 売上
- 粗利
- 成約率
- 平均受注単価
といった、利益に直結する数字です。
私の失敗談に関しては、「広告の数字は改善したのに、会社の利益が減った話」をご覧ください。
私がリスティング広告の運用代行会社を選ぶ際に重視する5つのポイント
① 売上から逆算して提案してくれるか
私がリスティング広告の運用代行会社を選ぶ際に最も重視するのは、「今より売上や利益が伸びる見込みがあるのか」を数字で説明してくれるかどうかです。
広告運用の世界では、CPAやROASなど様々な指標があります。
もちろん、それらも重要ですが、経営者が本当に知りたいのは、「結局、今より儲かるのか?」という一点ではないでしょうか。
例えば、私自身が広告運用を外注するとしたら、広告アカウントの共有ができるかどうかや、Google認定パートナーかどうかはあまり気にしません。
知りたいのは、今より利益が増える可能性があるのかどうかです。
仮に現在、広告費100万円で月350万円の粗利を出しているとします。
そこへ広告運用代行費が30万円かかるとしても、粗利が400万円になるのであれば依頼する価値があります。
営業利益で考えれば、
350万円 − 100万円 = 250万円
よりも、
400万円 − 100万円 − 30万円 = 270万円
の方が大きいからです。
重要なのは広告費ではなく、最終的に手元へ残る利益です。
そのため私は、初回相談の段階で「今より売上が伸びる見込みはありますか?」と聞くと思います。
その質問に対して、「頑張ります」ではなく、「現状の数字を見る限り、こういった改善余地があります」と説明してくれる担当者の方が信頼できます。
広告運用は魔法ではありません。
しかし、問い合わせ件数、成約率、受注単価などの数字から逆算すれば、ある程度の成長余地を予測することは可能です。
私は、CPAを改善できる担当者よりも、売上を逆算して考えられる担当者の方が価値が高いと思っています。
② 数字で根拠を説明できるか
例えば、リスティング広告の運用代行会社を乗り換える際に、
「このキャンペーンの予算をメインキャンペーンへ寄せれば売上が伸びると思います」
と提案されたとします。
この時、「なぜ伸びるのですか?」という質問に対して、数字で説明できなければ意味がありません。
以下は実際によくあるケースです。
- 現在運用しているキャンペーンAのCVRが1.54%。
- メインキャンペーンBのCVRが2.43%。
- クリック単価はどちらも500円。
- 成約率は50%。
- 受注単価は20万円とします。
この場合、成果の低いキャンペーンから30万円分の予算を移動させた場合の理論値は次のようになります。

もちろん理論値なので、実際には競合状況やインプレッションシェアの影響を受けます。
しかし、「売上が上がりそうです」ではなく、「理論上は月額約53万円の売上増加が見込めます」と説明できる担当者の方が信頼できるのではないでしょうか。
さらに、インプレッションシェアに余裕がない場合でも、
・Yahoo広告への展開
・Microsoft広告への展開
・キーワード拡張
・入札戦略の見直し
・AIを活用した新規キーワード発掘
など、次の打ち手を考えることができます。
広告運用は勘や経験だけで行うものではありません。
現状の数字を分析し、改善余地を見つけ、その結果どれくらい売上が伸びる可能性があるのかを試算する。
私は、そうした説明ができる担当者に仕事を任せたいと思っています。
③ 提案をしてくれるか
広告運用を依頼する際、私は提案力を重視します。
なぜなら、広告運用は一度設定したら終わりではないからです。
市場環境は常に変化しています。
競合の参入によってクリック単価が上がることもありますし、これまで成果の良かったキーワードが突然反応しなくなることもあります。
そのため、広告運用には継続的な改善が欠かせません。
私自身、過去にクライアントから
「成果には満足しているが、もっと提案が欲しい」
と言われたことがあります。
当時は広告の成果自体は悪くありませんでした。
しかし、今振り返ると反省点もあります。
私は現状の成果を維持することに意識が向きすぎており、「次に何を試すべきか」という提案が不足していました。
経営者は、今月の数字だけを知りたいわけではありません。
来月、再来月と、どうやって売上を伸ばしていくのかを知りたいのです。
実際、広告運用の世界には数多くの改善施策があります。
例えば、
- 新しいキーワードの開拓
- 配信エリアの見直し
- 新しい広告媒体への展開
- 入札戦略の変更
- 成約率の高いユーザー層への予算集中
などです。
もちろん、すべて実施すれば良いというわけではありません。
重要なのは、「次に試すべき施策を考え続けているか」です。
毎月同じレポートを送るだけ。
毎月同じ説明を繰り返すだけ。
それでは運用代行の専門会社へ依頼する意味は薄れてしまいます。
私は、現状維持ではなく、常に改善案を持っている担当者の方が信頼できると思っています。
④ 厳しい案件は厳しいと言ってくれるか
私は、何でも「できます」と言う営業担当者よりも、「厳しいかもしれません」と言ってくれる担当者の方を信頼します。
なぜなら、広告運用ですべての課題を解決できるわけではないからです。
例えば、
- 予算が少なすぎる
- 競争が激しすぎる
- 商品やサービス自体に課題がある
- 成約率が極端に低い
こうしたケースでは、広告運用だけで成果を出すのは難しい場合があります。
それにもかかわらず、「大丈夫です」「成果を出せます」と安易に引き受けてしまう会社も存在します。
しかし、その結果として成果が出なければ、クライアントはお金だけでなく貴重な時間まで失うことになります。
私はむしろ、「現状では厳しい」「採算が合わない」と言ってくれる会社の方が誠実だと感じます。
もちろん、不快になる経営者もいるかもしれませんが、無理な案件を受けて失敗するよりも、最初に課題を共有した上で改善策を考える方がはるかに建設的だからです。
広告運用代行の依頼先を選ぶ際には、耳障りの良い言葉よりも、耳の痛い話をしてくれるかどうかを見た方が良いでしょう。
⑤ 経営者目線を持っているか

私が広告代理店を選ぶ際に最後に確認するのが、経営者目線を持っているかどうかです。
広告運用者は、どうしてもCPAやクリック率など広告管理画面の数字を見がちです。
どれも重要な数字ですが、もっとも重要なのは売上です。
私は広告運用をする際も、
- 粗利
- 売上
- 平均受注単価
- 成約率
- 電話件数
- 受任件数
といった数字を重視しています。
なぜなら、会社が存続するために必要なのはCPA改善ではなく利益だからです。
例えば、
- CPAが5,000円の商品A
- CPAが15,000円の商品B
があったとします。
CPAだけを見ると商品Aの方が優秀に見えます。
しかし、
- 商品Aの受注単価が30万円
- 商品Bの受注単価が100万円
ならどうでしょうか。
月50件受注できた場合、
- 商品Aの売上は1,500万円。
- 商品Bの売上は5,000万円です。
もう一度、先ほどのスライドをご覧ください。

広告費を差し引いても、その差は圧倒的です。
つまり、CPAが低いことと利益が大きいことは必ずしも一致しません。
リスティング広告の担当者が、CPAやROASの話ばかりしているのか?
それとも、売上や利益の話まで踏み込んでいるのか?私ならそこを見るでしょう。
こんなリスティング広告の運用代行会社は見直しを検討した方がいい
レポートを送るだけ
広告代理店から毎月レポートが送られてくる。
これは当たり前のことです。
しかし、私はレポートを送ること自体にはそれほど価値を感じていません。
なぜなら、Google広告やGoogleアナリティクスの数字はメールで届きます。
経営者が知りたいのは数字そのものではなく、その数字が何を意味しているのか?です。
私自身、過去に他社が作成したレポートを見たことがありますが、
「流入数が前年比○%増加しました」
「コンバージョン数が○件でした」
といった数字の説明ばかりで、結局どうすれば良いのかが分からないケースもありました。
そのとき経営者の方が、「それで、どうすればいいんですか?」と質問していたのを今でも覚えています。
私もまったく同じことを思いました。
レポートは手段であって目的ではありません。
重要なのは、
- なぜその結果になったのか
- 今どこに課題があるのか
- 次に何をすべきなのか
を分かりやすく説明することです。
もし毎月送られてくるのが数字だけのレポートになっているのであれば、一度担当者とのコミュニケーションを見直してみても良いかもしれません。
成果が出ない原因をページのせいにする
広告運用で成果が出ないと、「ページを改善しましょう」と言われることがあります。
もちろん、ページ改善が必要なケースもありますが、成果が出ない原因を最初からページに求める担当者には注意した方が良いと思っています。
なぜなら、広告運用で成果が出ない理由はページ以外にも数多く存在するからです。
例えば、
- キーワードの選定が適切ではない
- 勝てるキーワードで広告表示できてない
- 配信媒体が合っていない
- ターゲット設定がずれている
- 予算配分に無駄がある
などです。
これらを十分に検証しないまま、「LPが悪いから成果が出ない」と結論付けてしまうのは少々乱暴です。
私自身、過去に成約が伸び悩んでいた案件でLP改善を提案したことがあります。
当時は、「競合と似た構成にすれば成果が改善するかもしれない」と考えていました。
しかし今振り返ると、LP以外にも試せる施策は残っていました。
例えば、
- 新しいキーワードの開拓
- 別媒体への出稿
- ターゲット層の見直し
- 広告訴求の変更
などです。
結果として、そのクライアントとの契約は終了しました。
もちろん原因がLP提案だけだったとは思いません。
しかし今の私なら、まず広告側で改善できる余地がないかを徹底的に検証します。
LP改善は、制作費も時間もかかる施策なので、本当に必要なのかを慎重に見極める必要があります。
また、広告運用会社の中には、成果が出ない理由を安易にページへ求める会社もあります。
しかし、本当に優秀な担当者は最初からページ改善ありきで考えません。
広告、キーワード、ターゲット、媒体など、あらゆる可能性を検証したうえで、「それでもページがボトルネックになっている」と判断した場合に、はじめて改善を提案します。
成果が出ないときほど、「なぜページが原因だと判断したのですか?」と質問してみてください。
その説明に納得できる根拠があるかどうかで、担当者の実力はある程度見えてくると思います。
まとめ
リスティング広告の運用会社を選ぶ際にもっとも重要なのは、会社名や知名度ではありません。
私はこれまで広告運用に携わる中で、「どの会社に依頼するか」
よりも、「どんな担当者に任せるか」の方がはるかに重要だと感じてきました。
私が広告代理店を選ぶ際に重視するポイントは次の5つです。
- 売上から逆算して提案してくれるか
- 数字で根拠を説明できるか
- 継続的に改善提案をしてくれるか
- 厳しい案件は厳しいと言ってくれるか
- 経営者目線で利益を考えてくれるか
もし現在の運用会社に違和感を感じているのであれば、「CPAは改善しているか」ではなく、「利益は増えているか」という視点で一度見直してみてください。
その答えが、今後も付き合うべきパートナーかどうかを判断する材料になるはずです。
もし私が広告代理店を探す立場だったら
ここまで読んで、「自社の広告はどうなんだろう?」と思った方もいるかもしれません。
実際、広告管理画面を見ているだけでは、
- CPAは適正なのか
- もっと売上を伸ばせる余地があるのか
- 無駄な広告費を使っていないか
は意外と分からないものです。
私自身、他社が運用しているアカウントを見る機会がありますが、数十万円から数百万円単位で改善余地が残っているケースも少なくありません。
もちろん、逆に「現状の運用で十分良い状態です」と判断することもあります。
重要なのは、思い込みではなく数字で確認することです。
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